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活用事例 ※五十音順

大分大学様

『WebClass活用事例 大分大学様』より

大分大学 様

  • WebClass活用事例 -WebClass eポートフォリオ レポートの相互評価と形成的評価-

2010年度、大分大学様でWebClass eポートフォリオを導入していただきました。
末本哲雄先生(高等教育開発センター)がご担当の教養教育科目「科学技術コミュニケーション入門」で、レポートの相互評価と形成的評価にWebClass eポートフォリオが活用されています。

1)活用の背景

この授業で、受講生は2種類のレポート提出を求められています。ひとつは科学記事で、科学と社会の間で生じる課題を議論し、その内容を文章にまとめたものです。もうひとつは講義の要旨で、科学技術コミュニケーションの歴史に関する9回分の講義から要点を拾って再構成したものです。

末本先生は、一般的なレポート課題に対して、次のような問題意識をもっています。

  • 学生が評価基準を知らず、書くべき方向性を見失っている
  • 一発勝負な状態が学生の文章執筆の向上につながらない

その解決策として、

  • 評価基準を明示する(ルーブリックがあるとよい)
  • 最終評価だけでなく、フィードバックや形成的評価を行う
  • ふり返りを増大させるために受講生間の相互評価を行う

が有効だと考えているそうです。

WebClass eポートフォリオには、上記の解決策3つに関係する支援機能が備わっています。ルーブリックを使って評価すると、「このレポートのどこがどの程度よくて、どこがどの程度よくないのか」を先生と受講生の間で共有しやすくなります。また、最終評価の前に形成的評価として、先生や他者からそのレポートの評価を伝えられれば、より優れたレポートへと改善を試みるでしょう。さらに、受講生間で相互にレポートを評価し合うという行為自体が学習活動と言えます。なぜなら、評価者・被評価者にとってのふり返りが増加するためです。
WebClass eポートフォリオの活用について、末本先生は「単にレポートを提出するだけでなく、評価・改善を組み込んだ学習サイクルの形成につながれば」と期待を寄せています。

これまでのレポート提出の流れ    ポートフォリオ・コンテナ活用のねらい

WebClass eポートフォリオ導入によるレポート提出の変化
(学習サイクルの形成をねらう)

2)活用概要

この授業では、レポートの出題時に課題の目標と評価基準が、WebClass eポートフォリオの「ゴール」と「ルーブリック」を使って、受講生に提示されます。受講生はWebClass eポートフォリオにレポートファイルを提出します。提出されたレポートに対して、後ほど教員と他の受講生からルーブリックを使った評価と自由記述によるコメントがつけられます。受講生はそれらを見ながらレポートを改善し、何度でも再提出できるようになっています。

eポートフォリオのトップ画面
(WebClass eポートフォリオのトップ画面)

ルーブリックの表示画面
(ルーブリックの表示画面)

成果物一覧の表示画面
(成果物一覧の表示画面)

相互評価の表示画面
(相互評価の表示画面)

3)システム活用の評価

WebClass eポートフォリオの活用後、以下のデータを見せていただきました。

  • 提出回数
    2012年度前期の「科学技術コミュニケーション入門」では、一人当たりの提出回数が科学記事で平均1.7回(35名中)、要旨については平均1.8回(28名中)であった。1回しか提出しない受講生もいたが、3~4回の再提出をした受講生もいた。
  • 記述内容の向上
    上昇点(=最終評価点-1回目の評価点)を調べたところ、科学記事では35人中17人の上昇点はプラスになった[ゼロ: 5 人(9人は1回のみの提出)、マイナス:4人]。要旨では28人中12人の上昇点はプラスになった(ゼロ:3名(13名は1回のみ 提出)、マイナス:0名)。
  • 受講生の相互コメントの数
    科学記事では、平均4.1回(35名)のコメントがついた。最大10回のコメントをもらった受講生もいた。要旨では、全体で1 件のコメントがついただけであった。
  • 受講生のコメントの有益さ
    授業アンケートの「他の受講生からのコメントは有益でしたか?」との設問に対し、「とても役に立った9名、少し役に 立った13名、どちらでもない7名、あまり役に立たなかった2名、全く役に立たなかった0名」という回答を得た。

レポートの上昇点から「形成的評価を取り入れることでレポートの質の向上につながり」、コメントの有益性から「受講生は相互評価による学び合いに意義を感じている」と言えそうです。

4)今後の課題

しかし、このような授業展開にデメリットはないのでしょうか?
末本先生はご自身の授業をふり返り、「レポート評価の回数が増え、労力が4倍になった」や「受講生間の相互評価が思ったよりも少なかった」といった点に課題を感じていました。そこから、以下の留意点を見いだしています。

  • WebClass eポートフォリオの活用において、教員の作業が楽になるという発想から離れ、「今までやらなかったこと、できなかったことに挑戦する」という発想に切り替える。
  • WebClass eポートフォリオは、教員の添削を楽にするシステムと理解するよりも、「学生の相互評価を容易にするシステム」と捉えた方がよい。
  • 「受講生に成果物(レポート)を提出させて教員が判定する」という振り返りのない一方的な授業スタイルから、「提出した成果物を受講生間で評価し合い、何度もふり返りながら改善していく」という授業スタイルに変えることで、評価活動や省察を伴った新しい学習活動を促す。

「相互評価に対する受講生の動機づけ」についてはいかがでしょうか?
この問いに対し、末本先生は

  • 学習観を伝える
    この教科では、単に課題を提出すれば良いというわけではなく、[計画、実践、評価、省察]を繰り返すことが学習である。
  • 他者への評価内容も成績に加える
    評価コメントの内容と回数も成績の対象にする。
  • 他者への評価作法を指導する
    差し障りのないコメントではなく、相手の改善につながるコメントを書いてもらうようにする。
  • 自然と評価し合う課題にする
    学生がやる気になる課題を考える。

を心がける必要があのではないかと述べています。

今後は、他のWebClassの機能とも関連づけ、より効果的な授業デザインを工夫していきたいとのことでした。

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