「大学教育フォーラム2024」を終えて
日本データパシフィック株式会社 代表取締役 平 治彦
当社主催の「大学教育フォーラム2024」が、2024年3月5日(火)に開催されました。 多くの皆様にご参加いただき、誠にありがとうございました。 この場を借りて、心より御礼申し上げます。
東京学芸大学 ICT/情報基盤センターの森本康彦教授による『学生中心の学びを実現するeポートフォリオ活用とラーニングアナリティクス』のご講演を拝聴し、私なりの学びをメモにまとめさせていただきます。
「学習者中心の学び」について
小学校・中学校でのタブレット端末を活用した授業が盛んに行われていることが紹介されました。 例えば、生徒が自らの活動を録画し、グループで振り返ったり、修正点について相談したりすることで、eポートフォリオ(学修ポートフォリオ)が自然な形で活用されている様子がうかがえました。 そして、今求められている「学び」とは自ら考え「気付く」ことであり、学習者に「気づき」を与えることが授業づくりにおいて重要であると述べられました。 特にeポートフォリオ(学修ポートフォリオ)は、多面的で多角的な評価においても重要な役割を果たしていることが示されました。
「対話的な学び」について
小学校・中学校で「対話的な学び」を経験した生徒たちが、将来的には大学に入学することになります。 仲間との対話を通じて学ぶ「協働的な学び」に慣れた学生にとって、学修支援として「足場かけ(scaffolding)」が重要であることが強調されました。 教員は、学生の成長を支援するために、必要に応じて足場をかけたり、外したりする重要な役割が求められていることも理解しました。
「ラーニングアナリティクス(LA)」について
ラーニングアナリティクスにおいても学習者が主役であり、情報の「見える化(ダッシュボード)」を通じて学生に気づきを提供することができます。 また、LAシステムには複数のタイプがあり、LMSの可視化機能の活用や、WebClassの場合「eポートフォリオ・コンテナ機能」を用いた学生の主体的かつ自律的な学びの支援が有効であることが示されました。 さらに、こうした情報を教員が確認し、授業を改善することで教育の質が向上することも期待されます。
「東京学芸大学が独自開発したシステム」について
二つのシステムが紹介されました。 これらのシステムは、「学習者中心の教育」を実現し、「主体的・自律的な学び」を促進するツールとして導入されました。 具体的には、教育実習日誌をデジタル化した「教育実習日誌eポートフォリオシステム」と、学生および教員養成に関わる学びの記録を統合し、学習状況の分析・可視化を行う「TGUポートフォリオシステム」(ダッシュボード)です。
まとめ
今回のご講演では、「eポートフォリオ」「教学マネジメント」「可視化」といったキーワードが「学習者が主役」というコンセプトで全て結びついていることが示されました。 誰にでも「あ、わかった!」という瞬間がありますが、この学ぶ喜びは年齢に関係なく、私たちが生きていく上で必要不可欠なものですね。